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2016年11月 6日 (日)

今週のマーフィー

実は、私。

二人が別れてしまってからの展開が好きなんです。
このドラマの真のテーマは、実はここから始まると言っていいのではないかと思ってる。

離れて、悩んで、苦しんで。

本当の愛とは、本物の恋愛とは・・・・そして、正しく人を愛するとは一体どういうことなのかを二人は探していくのです。
その姿が胸を打つ。

相手を束縛するばかりではいけない。
反対になんでも相手に合わせ、振り回されるだけでもいけない。

追いかけるだけでも、追いかけられるだけでもなく。
つくろわず、自分がありのままでいられる恋愛を。

家尉も必死に答えを探すんですよね、彼女が何を手に入れたくて自分と別れたのかを。

その片端は、彼女のブログの閉鎖の辞に込められている。(Roy Croftの”Love”ね)
でも、それがはっきりとはわからない。

だから家尉は見守ることに決めたんですよね。彼女が答えをみつけるまで待とうって。
遠くから見守るって。

それはこれまでの彼からすればすごい成長なんだけどな。

だって、愛する人が突然離れて行ってしまう恐怖を知っている彼は、人一倍愛した人にしがみついてしまう癖があるのだから。

彼は曉彤より一歩早く人間として成長を遂げるんですよね。では、曉彤は?

それは。

この後のお楽しみ!

さて、毎回ネタバレ内容を書き起こしてきましたが、昨年現地放送時にまったく同じ内容で書いていることだし、そのままそれを引用することにいたしました。

で、来週週末、私は台湾へ飛んでおりますので、記事のアップは帰って以降となりますのであらかじめお知らせしておきます。

<2015年7月12日記事より>

前回のつづき。

大泣き映画館で、映画が終了しても立ち上がれずにいる家尉でしたが、携帯が鳴ってとったところからですね。

「もしもし・・・・」
「紀家尉。いま、どこにいるの?」
「・・・僕は・・・・その・・・・会社だ」
「ひどい鼻声・・・・泣いていたんでしょ」
「・・・・・・」
「私、さっきあなたにひとつ言い忘れたことがあったわ。あなたの手を私に貸してくれない?手を上にあげて・・・頭の上に置いて・・・・・・私の代わりにポンポンってして」

この続きがなにを意味しているのか、彼にはわかっている。それでも・・・・。

ポン・・・ポン。

「これから私はいない。紀家尉を・・・・・よろしくね(涙)」

家尉の目からとめどない涙が。

そんな彼を泣きながら影から見守る曉彤。

突然、映画館のアナウンスが電話の向こうからも響いてきたことで、家尉は彼女がここにいることを悟る。

「關曉彤。どこにいるんだ。君もここにいるんだろ?」

「あなた、Yesっていったでしょ。自分を大切にしてね」

そういうと彼女はそこから去って行った。

「曉彤!」

22慌てて探したが、もう遅かった。

家に戻った家尉には、家のそこかしこに彼女の面影が残されていることが辛かった。

16ベッドに腰掛けると、二人で海の音を聞いたあの日がよみがえる。
胸の痛みを抱え込むようにくの字に横たわり声を殺して泣き続ける家尉だった。(泣ける~~~)

23翌朝、曉彤の会社をのぞきこんだ彼は、欣欣から彼女が辞職したことを知らされる。

一方曉彤は部屋で会社の荷物を整理している。すると中から、家尉にもらった彼の家の合鍵が。

29「僕とペアなんだぜ。明日の朝、家まで来い。朝メシを食べさせろ」

「やっと・・・帰ってきたよ」
「おかえりなさい」

彼との思い出が走馬灯のようによみがえり、涙がこぼれてきた。

「彼が恋しくなったらジョギングに行こう!走っていれば大丈夫」

17家尉はなにもする気が起きずにひきこもる日々。

「關曉彤・・・・君に会いたい・・・・。いまどうしてる?」

泣きながらジョギングをしている曉彤。

18『人生とは、絶えず別れを言う練習をしているようなもの。仕事を離れ、友達にさよならを言い、恋愛にも別れを告げた。ものすごく辛い別れもあって、もしかすると短期間ではその意義をつかめないかもしれない。でも、だからこそ私は鍛えるのだ』

28そんな彼女の姿を車の中からそっと見守る家尉。隣にはポロが。

「ポロ。おまえが彼女にすごく会いたがったから、お前のために来たんだぞ。わかってるな。お?」

43曉彤は、子諺に料理を習ったりして、徐々に新しい生活を歩き始める。

会議中でもぼーっとしている家尉。心配した西門達は秘密兵器を送り込む。
芝羽だった。

一か月後。

閉鎖中の曉彤のブログにはこんな言葉が。

21”LOVE記念

彼が彼女を好きなのは、彼女のことが好きだからではなく

彼女と一緒にいるときの自分のことが好きだから

彼女が彼を好きなのは、彼女のためになにかをしてくれるからではなく

19彼と一緒にいれば、なにかを一緒にできるから”

『私が一番好きな詩人 Roy Croft の”Love”という詩の中にこういう一節があります。”あなたが好きです、あなたのことだけでなく、あなたといる自分のことが好きだから。あなたが好きです。あなたが私のためにしてくれることだけでなく、あなたがいることで私は完成されるのだから。”』

家尉は芝羽に付き添って病院へ。

元気のない彼に芝羽は、「私の知っている家尉じゃない!あきらめきれないんなら、彼女を追いかけなさいよ!」と怒る。

「でも僕は彼女はよくよく考えて別れたんだと思うんだ」
「だから?あなたに対して、私はすくなくとも数度は頑張ったわ。もし本当に彼女を愛してるんなら、くぎを打ち続けるような勇気さえも持てないの?」
「・・・・芝羽。聞くけど、以前付き合っていた時、僕は君のモデルとしてのスケジュールにすべて合わせたよね。それこそが君が僕と付き合いたいと思った原因なのかな」
「実は・・・・そんなに複雑じゃないのよね。一言でいえば、あなたといる自分が好きだったの。こういうことよ。あなたは私が世界で一番大切な人間なんだと思わせてくれるし、自分はあなたを幸せにしてあげられるんだという自信もくれるの」

会社を辞めた曉彤は病院へ戻っていた。そして芝羽の治療を担当している友人と共に、陰で彼女の回復の手助けをしていた。

芝羽を診察室へ送り込んだ家尉の目の前には、曉彤の前カレが。

27「君が付き添ってくれるから、芝羽が診察をさぼらなくなったよ。それに李先生から聞いたんだが、彼女の病状はすごく回復しているらしい。全部君のおかげだよ」
「それは彼女自身の力です。僕がこのところ元気がないことを知って、わざと付き添わせているんですよ。僕を外へ連れ出す口実にね。だから彼女こそ僕に付き添っているんですよ、僕が付き添っているんじゃなくてね」
「それもいいじゃないか。僕は心療内科が専門じゃないけど、互いに助け合うという気持ちのよりどころをもつことは、どんな薬よりも効くからね。だろ?」

「考えてもみろ。芝羽はやっぱり君をすごく気にかけている。君の元気がないと知ると慌てて元気づけようとする。そうすることで彼女は自分が必要とされているとだんだん自信が持てるようになり、自分を取り戻しているんだ」
「彼女の状態はすごくよくなってる。でも僕はなかなか元気になれなくて、彼女をがっかりさせるんじゃないかと心配なんです」
「・・・・曉彤というのは、とにかく人のことばかり考える奴なんだ。だから今回は、自分のためにどうするかを決めたということに僕も驚いたよ。だけどいいことじゃないか。違うかな。それに僕は君が彼女に自分を変えなきゃと思わせたんだと感じるんだよね。・・・・だから、簡単にあきらめちゃだめだよ」
26「はいはい、僕のことよりも、あなたの方でしょ。一体いつ芝羽に告白するつもりなんですか?いつも黙って彼女の後ろに立っているだけじゃね。彼女は今ではものすごくあなたを頼りにしている。それにあなたは僕以上に彼女のことを気にかけてるじゃないですか」
「・・・いや・・・」
「あなたはまさか自分の気持ちに気づいてなかったとか?」

24話していた病院の屋上からエスカレーターで降りる途中、上りのエスカレーターに乗った曉彤とすれ違う。

目が合う二人。

すぐさま追いかけようとする家尉だったが、診察を終えて出てきた芝羽に呼び止められる。

「どうしたの」
「今、曉彤をみかけたんだ」
「曉彤?」

彼女の影を追ってみたが、もうどこにもその姿はなかった。

25芝羽と駐車場へやってきた家尉。なぜだか不機嫌な芝羽。

「どうした?」
「どうしたって聞きたいのはこっちよ!紀家尉。たのむからしっかりしてよ!今の自分を見てごらんなさいよ。私、以前の自分がなんて愚かだったかと思えるわ。あなたのために心療内科を受診してるとはいえ、とっくに薬なんかいらないし、治ってるのよ!」
「おれがどうだっていうんだよ」
「もし彼女のことがそんなに気になるんなら、病院へ戻ってさがしましょうよ!はっきり気持ちを聞きましょうよ!」
「やめてくれよ。以前の僕だったら君に言われなくたって病院中を探し回って、みつけたら連れ戻してるさ。でも・・・・・それが別れの一番の原因だから」
「そうなの?私は前のあなたのほうが好きだけど」
「僕にはまだ曉彤が求めているものが何なのかはわからないけど、だけど、彼女のために変わってみたい。だから・・・彼女の決めたことを尊重するべきだと思ってるんだ」
「尊重?尻込みしているってことでは?やっぱりもっと積極的に出るべきよ!」
「でも・・・」
「あなたが行かないなら、私が行く」
「ちょっと・・・・芝羽!」

曉彤の診察室を訪れた芝羽。

そこで自分の担当医と曉彤が友人であることを知る。

「思ってもみなかったわ、あなたがこの病院の医者だったなんて」
「私は瑶瑶からあなたが最近すごくよくなったって聞いてるわ。遠くないうちに全快できるはずよ」
「もし李先生から聞かされなかったら、あなたがずっと私の心の立て直しを手伝ってくれた人だとは知らずにいたわ」
「・・・・・いずれにせよ、私たちというのはそばで支えるだけで、心の病はやっぱり薬で治すという医学が頼りだから。紀家尉がそばに戻り、あなたの気持ちを受け止めたことが一番の決め手よね」
「私のそばに戻った?・・・・あなたはそれでいいと思ってるの?前カレとよりを戻す・・・私はまた同じように傷つくんじゃないかと心配だわ」
「もしあなたが同じ轍を踏みたくないと思うなら、どこか変えなくちゃ。なら・・・少し彼に時間をあげて、彼のことをもう少し思いやってあげて」
「そんなに簡単なの?だったら、家尉なら十分対処してるわ」
「彼ってそばに誰かいないとダメな人なの。特に今のような時には。なにごともないようにふるまっていても、実は心の中はすごく孤独なの。だから・・・・私が言いたいのは、対処しようとしないでほしいの。恋愛ってお互いのことでしょ?もし相手のことをいい加減に思っているだけだったら、それが一番いけないわ」
「・・・・なるほどそういうことね」

34芝羽と家尉はレストランへやってきていた。

「ボストンロブスターってよさそうじゃない?大きすぎないかな」
「大丈夫。食べればいいよ。それでいいんだね」
「ちょっと待って!もうちょっと見せて。なにがいいかなあ・・・・」
「・・・・君、曉彤を探しに行ったんじゃなかったっけ。会えたの?」
「(聞こえないふり)う~~ん・・・・これかなあ・・・よし!フォアグラソース・フィレステーキ!ねえ、どう思う?」
「・・・・・じゃあ、君を見て、彼女、何か言った?」
「(再び聞こえないふり)う~~ん・・・・あっ!キャビアソース!!」
「キャビアソース!?」
「どうしよう~~全部おいしそ~~。一つ選ばなきゃダメ?」
「勝手にしろ!全部頼めよ!!早く言えって(と、この言え、というのは曉彤と何を話したのかって意味ね)」

「なんだって?彼女、僕らがよりを戻したって誤解してるのか?じゃあなんで彼女に説明しない?」
「私、悪い女には役不足かしら?どうしてあなたのために説明しなきゃならないのよ。しかも私と彼女とは恋敵だったわけじゃない。私はね、彼女があなたに怒って、恨んで、永遠に知らん顔してくれるほうがうれしいわけよ。説明するのはあんたの仕事で、私のやることじゃないの、わかった?」

そこへ大量の料理が運ばれてきた。

それをほおばりながら、芝羽はこう言った。

「わかったわよ。食べると口がすべるの。一つだけ情報をあげる。關曉彤はねえ・・・・今でもあなたに気があるわよ!私たちがよりを戻したと聞くと、必死になってあなたによくしてやってくれって念押しして来たわ。それから彼女、二日間嘉義に出張だって。なにかの研究会に参加するって・・・・。あとは自分でなんとかしなさいよ」

一方曉彤も子諺と一緒に食事を。

ブッフェスタイルだったが、二人とも選ぶものが大体同じ。

感覚も味覚もとてもよく似ている。
子諺は彼女が何を考えているのかがわかるため、先回りして食べたいものをちゃんと予約していてくれるような人だった。

その夜、部屋で出張の準備をしている彼女に關ママがこう尋ねる。

「今日のデートはどうだった?」
「なにがデートよ。友達として付き合ってるだけなのに」
「あんたがなんと言おうと勝手だけど、心を開いて試してみようと思えば、ここしばらくの努力も無駄にはならないわよ」
「ママ、ごめんね、心配かけて」
「そんなことないわ。じゃあ・・・今夜の彼はどうだった?あなたたちはすごく合ってるんじゃないの?」
「彼と付き合うことにはなんの問題もないわ。欣欣が言ってたんだけど、彼と私とはおんなじ種類の人間なんだって。時々私も疑うのよ、彼ってこの世界にいるもう一人の私なんじゃないかって。彼と付き合って起きる感覚というのは、すごく静かで穏やかなもの。20年後の自分たちの姿すら想像できるくらい・・・。多分今と同じように、すごく穏やかで、息がぴったりで、なにも変わらないはず」
「・・・それって・・・・聞いてるとなんだかちっともおもしろくないみたいだわね」
「なにも悪いことなんてないわ。紀家尉と付き合ってたころはすごく面白かった。うれしいときはすごくうれしくて、悲しいときはすごく悲しい。毎日の気分がまるでジェットコースターにでも乗ってるみたいだった。それって私にとってはちょっと刺激的すぎたのかもね」
「・・・・曉彤。ママはもちろんあなたのこれから歩む日々が穏やかで順調であってほしいと願ってはいるけれど、それ以上にあなたが自分に正直で、自分が下した結論に後悔することのないようにと願っているのよ」
「ママ、心配しないで。この恋愛を経ることでもっと自分に何が必要なのかがはっきりしたの」

そっと部屋を出ていく母。

出張準備に戻った曉彤は、ふとあの指輪ケースを手に取る。

「中の指輪は実はずっと君のそばにあったんだ」
「あなたが言ってるのは、一年前私が拾った指輪・・・あれはあなたのだったってこと?」
「うん」

「もしこの指輪の本当の持ち主が見つかったとしたら、君はどうする?」
「もちろん返すわよ。この持ち主の一時的な衝動かもしれないし、いつかやっぱりこれがいる時がくるかもしれないでしょ」

「紀家尉と指輪は、本当の持ち主に返すべきだよね」

30研究会のために山上のホテルにやってきた曉彤。

ホテルの図書室で本を探す。
と、欲しい本が上の棚にあって背の低い彼女には手が届かない。

47踏み台を取りに行って戻ってくると、本がなぜか低い場所に置いてあった。

夜、部屋のネットが故障中で彼女はロビーで資料作りを。 スタッフが直ったことを告げに来たが、資料を広げていた彼女はそのままロビーで作業を49
続けることを選んだ。

うっかり寝てしまった彼女が目覚めると、傍らにケーキとコーヒーが。 「ここのサービスってほんといいわね」

46作業を終えて立ち上がった彼女は、うっかり眼鏡を落とし踏みつけて壊してしまう。
眼のよく見えないまま部屋へ戻ろうとしてふらつく彼女を、誰かが支えてくれた。

「すみませんが、さっきうっかり眼鏡を踏んで壊してしまったんです。ひどい近視に乱視なもので、今、まったく目が見えてないんです。お尋ねしますが、あなたもここの宿泊客ですか?」
「(小さく)うん」
「私、307号室に泊まっているんですけど、申し訳ないんですが3階まで連れて行ってくれませんか?」

「あっ!そうそう307号室、ここですここです。ありがとうございました」

彼女を連れてきたのは家尉だった。

翌朝、彼女は屋外で朝食を取っていた。

すると電話が鳴った。子諺からだった。

「もしもし、子諺?おはよう!」
「おはよう!よく眠れた?」
「まあまあかな。ここの景色、すごくきれいよ。今、森の中に座って朝ごはんを食べてるの」
「昨日調べたらさ、君が泊まってるホテルでは名所案内やってて一見の価値ありだってさ。息抜きにお勧めするよ」
「ほんと?いいかもね。じゃあ、ちょっと聞いてみるね。うん。バイバイ」

そこへコーヒーを運んでくれたスタッフに聞いてみると、今日の分は予約で一杯とのこと。明日なら空いてると言われたが用があるのであきらめた。

そのスタッフが他の客に声をかけた。

「お客さま。あなたが予約している名所案内は30分後に始まりますので、申し訳ありませんが前のエントランスまでご集合ください」

するとその客はこう言った。

「僕は名所案内なんて頼んだ覚えはないんだけど・・・」
「間違いありません。王西門さんとおっしゃる方があなたのためにご予約なさいました」

客は家尉。

「あいつめ・・・・いったい何で勝手なことするんだ・・・・どうでもいいや、キャンセルします。もっと大事なことがしたいので」
「では料金はいかがいたしましょう・・・・」
「返金しなくていいです。そういうことですから」
「では、あなたの分を別のお客さまにお譲りになるというのはいかがでしょう?ちょうどさきほど参加したいとおっしゃっていた方がおられるので・・・・あの方ですが」

指さしたのは曉彤だった。

「・・・いいですよ、彼女に譲ります・・・・」
「よかった、ありがとうございます。それでは私はあの方に伝えに行きます」

ぎこちなく目を合わせる二人。

それでも感謝の意を込めて小さく曉彤は頭を下げた。

”ちょっと痩せたみたい・・・・。最近、ちゃんと食べれているかしら・・・・。そうじゃないわ。どうして彼がここにいるの?”

37森の中をカメラで撮影して歩く曉彤。すると向けたレンズの中に懐かしい姿が見えた。
家尉だった。

「ハイ」
「ハイ」

38「あなた、名所案内を私に譲ったんじゃなかったの?」
「そうだよ、譲ったよ。けど、別の人がさらに僕に譲ってくれる方法を考えただけさ」

「君はここへ何しに来たの?」
「研究会に参加しに来たの。あなたは?」
「僕?・・・僕は・・・イベントの会場の下見さ」
「偶然ね。・・・・ここで開くの?」
「そ、そうさ。ほんと、偶然」

36「君は撮影の研究会に参加したの?」
「違うわ。でもめったに来れないところに来たんだから、写真でも撮って記録を残そうかと思って・・・。あなたは?写真を撮って記録を残さないの?」
「僕は・・・・先に来てルートを探ってたんだ。もしいいなと思ったらいつでも撮りたいときに撮ればいい・・・・携帯を使えばいいしね」
「それもそうね。・・・・じゃあ・・・私行くわね」

「頑張って」
「君もね」

32後ろ髪をひかれる思いで遠ざかる曉彤。

彼を気にしながら歩いていると、うっかりつまづき倒れそうに。

そんな彼女を抱き留める家尉。

33一瞬の間があいて、思わず彼を突き飛ばす曉彤。その反動で本当に倒れて手を怪我してしまう。

曉彤の部屋で手当てをする家尉。

「自分でやるからいいよ」
「いいから。手がこんななのにどうやるつもりだよ。やり方を教えてくれれば、やるから。まず・・・・食塩水を使うんだろ、違う?」
「うん」
「ほら」
「・・・・痛っ」
「我慢して」

そんな家尉の姿をじっと見つめる曉彤。

「それから?」
「それから・・・軟膏」
「これ?」
「うん」

最後に包帯を巻いて。

「まだ痛い?」
「ううん」
「どこか薬を塗り忘れてないか、見てみよう」

彼女の手を握ると、「この手を握ったら放すつもりはないからな」。そう言った時のことを思い出した。

すると彼女はその手を引っ込めて「ありがとう」とだけ言った。

「やっぱり大きな病院で見てもらった方がいいと思うんだけど。僕の巻いた包帯が十分じゃないかもしれないし、万一骨にまで達した怪我だったらいけないし」
「大丈夫よ。こんなの大した怪我じゃないわ。それにあなたがちゃんと巻いてくれたもの。問題ないはず」
「行くよ」
「うん」

立ち上がって帰ろうとする家尉。そこへ瑶瑶から電話が。

「もしもし、瑶瑶?・・・うん、あるわ。ちょっと待って、探すから」

怪我した手をかばってやりにくそうになにかを探し始める曉彤。すると。

42耳にはさんだ携帯を家尉が支えてくれた。

「曉彤。その図、みつかった?」
「あった。みつけたわ。あなたが言ってるのは、この図上のデータが最新のじゃないってこと?じゃあ、データを探して私に送ってちょうだい、更新するから。うん・・うん・・・じゃ、そういうことで。バイバイ」

「ありがとう」
「行くよ」

再びドアに向かう家尉。

振り返ると右手が使えなくて、やりにくそうにパソコンを操作する曉彤がいた。

「どうしてまだ行かないの?」

31すると家尉は戻ってきて彼女の前に座り、パソコンを自分の方へ向けた。

「手伝うよ。その速度じゃ明日になっちまって研究会に間に合わない。言えよ。どこを直すんだ?」

彼女の顔を時々伺いながら手伝う家尉。

「この背景の色はもう少しはっきりしたのに変えた方がいいかもね」
「OK」
「あ、違う違う。私が言ったのはこの数列のここ」
「ああ」
「違う違う。この列から・・・・」

そう言って彼のマウスを握る手に思わず手をのせてしまった曉彤。自分の行動にはっと気がつきあわてて手を放した。

「君が言ってるのはここかな」
「・・・・この先は自分でできるから。ありがとう。今日はいろいろ助けてくれて。あなたは明日も朝早くから仕事で起きないといけないでしょ?早く休まないと。おやすみ」

すると家尉は彼女を抱きかかえた。

「紀家尉!なにするの?」
「何時だと思ってるんだ。君も休まないと」
「でもまだ仕事が終わってない・・・・」
「いうことを聞いて。ちゃんとシャワーを浴びて寝るんだ」
「私がシャワーを浴びるんだったら、なんであなたがついてくるのよ?」
「入って来るなというならいいよ。ドアを蹴破って入るから」
「乱暴じゃないのよ!」

再びソファーの二人。

そこへ子諺から曉彤にLineが。

”仕事が終わって家に着いたよ。まだ報告の準備中?”

返事のLineを打つ彼女の隣で、家尉は彼女のブログの彼女のあの言葉を読んでいた。

”彼が彼女を好きなのは、彼女のことが好きだからではなく

彼女と一緒にいるときの自分のことが好きだから

彼女が彼を好きなのは、彼女のためになにかをしてくれるからではなく

彼と一緒にいれば、なにかを一緒にできるから”

35家尉はそのまま黙って部屋を出て行った。ドアを閉めると、深く何かを考えていた。

ベッドに入った家尉は、ここへ来てから彼女の姿を見守ってきた自分を思い返していた。

「君にどうしてあげればいいのかわからないよ」

一人になった曉彤も、指の包帯をながめて家尉のことを考えていた。

「關曉彤。自分で決めたんじゃない、やり直すって。彼を見たからって動揺しちゃだめ。それに彼はもう芝羽とよりを戻したのよ。変なことを考えちゃダメ」

家尉も眠れない。突然起き上って「彼女の手、きっとすごく痛いんだろうな。關曉彤め、なんで怪我したりして自分を大事にできないんだろう。なんであんなに強がりなんだ」

そこまで考えると、たまらず携帯を手に取ってLineを送ってしまった。

”傷口は水にぬらしちゃだめだよ。薬を取り換えるときは誰かに頼んで”

「なんで既読になってるのに返事がないんだ・・・まさか返すのも難しいのかな」

♪♪
”大丈夫。早く休んで”

”もう寝るよ。君も休んで”

”おやすみ”

50「やだ、關曉彤。話すことがないんだったら無理して返すことないじゃない!この返事ってなんなのよ。かっこわる・・・」

”おやすみ”

それでも彼から返事が来ると、うれしそうに微笑んだ。

それからしばらくLineで会話をかわした二人なのでした。(想像)

夜中3時に起きてどこかへ出かける家尉。

すると同じく曉彤も起きてきた。

「紀家尉!」

「き・・・・君もこんな時間に出かけるの?」
「うん。めったに阿里山なんてこれないから、日の出を見に行かなきゃって・・・・。あなたは?」
「僕も日の出を見に行くんだ」
「そう」
「一緒に行く?」

山頂の朝は寒い。くしゃみをする曉彤。
するとすかさずブランケットで彼女を包んでくれる家尉。

「今は夏だけど山頂の夜はやっぱり冷える。ほら、熱いコーヒー。持って」
「ありがとう」

「あっ・・・」
「どうした?」
「なんでもない。傷口が痛んだだけ」
「見せて。・・・・水で濡らした?山を下りたらやっぱり大きな病院で診てもらおう。もし傷口が感染して破傷風にでもなったらまずいだろ」

「ゆうべホテルのロビーで私を助けてくれたのは・・・・あなたなんでしょ?」

45「なんだ・・・ここ数日のことは全部あなただったんだ」
「僕はなにもわざと君にまとわりついていたんじゃないよ。君が一人でこんな遠いところまでやってきて環境にも慣れてないのに、その上・・・・全然自分を顧みないから・・・・。本当は邪魔する気なんてなかったんだ、ただ思いもよらなかったよ、名所案内のチャンスをキャンセルしてちょうどよく君に譲るなんてさ」
「こういうのって、あなたが捨てたものを私が拾う縁とでもいうのかな。最初の、あなたのいらなくなったあの指輪と一緒で・・・・ただうまく私の手の中に落ちてきただけ。そうでしょ?」
「俗っぽい言い方だけどそういうのを・・・・運命って呼ぶんじゃないの?」
「・・・かもね。縁っていうのはほんとに奇妙なものね。でもあの指輪は・・・最初から最後まで私のものじゃなかった。だって最初はあなたが芝羽にプロポーズするために買ったものでしょ?私のところにあるのはただしばらく預かっているというだけなの。だから、あなたも指輪も、私としばらく一緒にいたけれど、最後にはやっぱりもとのご主人のもとへ返さなきゃね。折を見て、あの指輪はあなたと芝羽に返すから」
「君は何をばかなことを言ってるんだ?どうして僕と芝羽に返すんだ?・・・・關曉彤。君は完璧に誤解してる。僕と芝羽はよりなんかもどしちゃいない。ただの友人なんだ。西門と少強が勝手に僕が家で悶々としていることを心配して芝羽に連絡を取っただけで・・・芝羽も僕の引きこもりを恐れて自分の治療に付き添わせたんだ。僕と彼女とは・・・全然君が考えてるのとは違うんだよ」
44
「実際・・・・そんなに一生懸命になって弁解なんかしなくてもいいのよ。全部過去のことだから」
「・・・・君は本当に少しも僕のことが気にならないのか?」
「・・・・私はもう、新しい人生を歩き始めたの。だから・・・あなたもさよならを言うこと・・・新しく始めることを学ばなきゃ」
「君はどうしてまだ試してもいないのにいつも自分で結果を決めてしまうんだ?」

「今日はもう太陽は出て来ないみたいね。これが私のマーフィー体質なの。やっぱりこういう結果になっちゃった・・・・。先に帰るね。・・・・ブランケット、ありがとう」
「關曉彤。君はただ結果を受け止めるのが怖いだけなんだ。だからそうやって結果が出る前に逃げ出そうとする・・・・」
「あなた、わかってないのよ」
「君のことはよくわかってる!だからこう言えるんだ。マーフィーだろうがそうでなかろうがかまわない。ただ信じてる、最後まで頑張りさえすれば、君は望むものを手に入れられるってね。關曉彤。僕と賭けないか?今日僕らが日の出を見れるか見れないか。やっぱり君が怖いなら僕の言ってることがあってるから怖いんだ」
「怖いもんですか」
「よし。じゃあもし君が勝てば、僕は指輪を受け取ろう。しかしもし君が負けたら、今後はそのマーフィーを持ち出して自分に勇気がないことの言い訳にするな」
「いいわ。じゃ、賭けましょう」

41日の出を待つ二人。

結果、美しい日の出が。

40「關曉彤。やっぱりそのマーフィーを君は続けるつもり?」

<2015年7月18日記事より>

一足先にチェックアウトをした家尉は、台北市内でポロの散歩中。公園のベンチで一休みしながら、山頂での会話を思い出している。

「・・・・君は本当に少しも僕のことが気にならないのか?」
「・・・・私はもう、新しい人生を歩き始めたの。だから・・・あなたもさよならを言うこと・・・新しく始めることを学ばなきゃ」
「君はどうしてまだ試してもいないのにいつも自分で結果を決めてしまうんだ?」

51ため息を一つついて、立ち上がろうとした家尉は、リードが切れてポロがいなくなっていることに気がつく。

道行く人に「これくらいの柴犬をみかけませんでしたか?」と聞いて回るが見つからず。

家に帰った曉彤が両親がいないのを訝っているところに家尉から「ポロがいなくなった」との電話が。慌ててかけつける曉彤。

「全部おれが悪いんだ。気が散ってて、ちゃんとリードがつなげていなかった。・・・・でも普段ポロは勝手にどこかへ行ったりなんかしないのに」
「行きそうなところは全部探したの?」
「うん」

55そこで曉彤は、ポロが「一緒に歩いて行こう」のブレスレットの音が好きだったことを思い出し、その音を鳴らしながら探したら出てくるかもしれない、と提案する。

「じゃあ私はここで引き続き探すから、あなたはブレスレットを取ってきて!」

するとブレスレットは家尉の胸ポケットから出てきた。

「やっぱり君が鳴らして。ポロは君の言うことならよく聞くから」

ブレスレットを鳴らしながら二人で探すが、やはりみつからない。

とうとう曉彤はべそをかきだした。

56「いったいどこへ行っちゃったんだろう・・・・」
「ポロが家に帰る道を覚えているとは限らない。まず帰って、休もう」
「でもあの仔はすごく怖がりなのに、今知らない場所で知らない人に囲まれて絶対怖がってるわ。すごく怖がってる・・・・」

そういうと、家尉の手からブレスレットを奪って、再び探し始めた。

そんな彼女を思わず抱き寄せる家尉。

57「心配するな。ポロにはチップが埋めてある。絶対にみつかるから」
「でも、ポロは野良犬だったじゃない。またいなくなったら、きっとどこかの物陰でぶるぶる震えているに違いないわ。それを考えるとどんなに今怖いかと思って我慢できないの」

そんな彼女に家尉は「あきらめなければ思いは必ず叶うから」と励まし、彼女を家まで送り届ける。

家に帰った曉彤は、両親の不在理由が母が倒れて病院へ行っていたからで、ちょうど訪ねてきた子諺が夕食の支度などいろいろ手伝ってくれたと聞かされる。

子諺を見送りに出た曉彤に、彼はこう声をかける。

「リラックスして。僕の前で無理して笑顔を作ることはないよ。わかってるよ、疲れてんだろ」
「ごめんね・・・・。今日家に着いたら紀家尉からポロがいなくなったという電話がかかってきて、そのまま手伝いに行ってしまったの。私ってほんとだめね。母が私を必要としているときに限っていつもいない」
「君はね、自分に厳しすぎるんだよ。何が起こったかなんて知らなかったわけだし、それにさ、僕がいるだろ」
「どうして紀家尉にまつわる何かに出くわすとこんなに冷静でいられなくなるんだろう・・・・あ、ごめんなさい。あなたにこんな話するべきじゃなかったわね」
「そんなことないよ。本当の気持ちを僕に話したいと思ってくれたんなら、僕もうれしいんだ。だってそれって、僕には正直で、信頼してくれてるってことだから。それに本当に誰かを好きになったら忘れたと言えるなんて、そんなの本当の君じゃないでしょ」
「でも・・・それってあなたに対してすごく不公平じゃない」
「僕の気持ちを考えてくれるようになったとはうれしいね。君が本当に前の恋愛を忘れられるまで、そばにいてもいいかな。一緒に僕が覚えているあの”初めて”の写真のような笑顔を取り戻そう」

58一方、家に戻った家尉は、家の前に少強らが立っていてびっくり。

西門は妻に追い出されたから一晩泊めてほしいと、少強は土曜日に予定されていた離婚パーティーの客がドタキャンしてきたが家尉に連絡がつかないので待っていたと、安婷はそのパーティーで予約していたホテルの料金がキャンセル期限を過ぎているため戻ってこないということを話し合いたくて来たと、それぞれ待っていた理由を話したがもちろん嘘に決まってる。

「ボス。家になにか冷たいものはありませんか」
「おれのこの眼では足りないか?」

帰れという家尉に対して、必死にそばに残ろうとする三人。結局酒盛りを始めてしまった。

「ボスをお祝いしよう!どんな困難(難關)にぶつかっても”關關難過關關過”(あたって砕けろ)だ!」
「なんで”關”の字ばっかりなんだよ!」
「しかも5連続・・・」
「”關”の字を出すな!」
「ごめん、口が滑った。これからは絶対に”關”の字は口にしないから」
「シーッ!」

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すっげー長いけど。

去年も頑張ってたんだなーと、ちょっと自分に感動shineshine

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